CDをカセットに録音すると聴きやすくなる?
録音レベルによる音質の変化を実験

2017年7月16日作成

「CDをカセットに録音すると聴きやすくなる?」の実験準備
カセットブームの紹介で、音質について気になることが取り上げられています。
CDをカセットテープに録音すると聴きやすくなると。
「CDの音は聴き疲れをする」と言われているのをよく聞きます。
「アナログのカセットテープのほうが聴きやすい」とも。
これらは、最近の音圧の上げた音のCDよるものが原因ではないかと思われます。
音圧の上げたCDは高音域も高いレベルで聴こえます。
これでは長時間聴くと、聴き疲れをしてしまいます。
「聴き疲れのする音のCDを、カセットテープに録音すると聴きやすくなる」
これは、カセットテープの磁気録音特性によるものと思われます。
カセットテープは高い周波数の録音レベルが高いと、入力と出力がリニアに変化しなくなってきます。
高い周波数の録音レベルが高くなるほど、同じ録音レベルの中低音域に比べて出力レベルが落ちます。
「2013年のカセットテープ録音テスト」での周波数特性グラフです。

トーンコントロールなどで高音域を下げると、音の大きさに関係なく高音域全体のレベルが下がってしまいます。
カセットテープに録音した場合は、グラフを見てわかるように、
-20dB付近はフラットに高音域まで伸びているのが分かります。
通常の録音レベルと、-20dB付近での録音での音質の違いを比較してみます。
まずは音源の製作をします。
音圧を上げた音源の製作
最近のCDの音は、音圧を上げたものが多くなりました。
著作権のある市販CDを使用することはできませんので、
著作権フリー音源の音圧を上げてみます。
音圧を上げた時の音質の変化が聴けます。

AUDIO-UP-50-SOUND.wmv へのリンク
リンクをクリックすると動画を再生します。
あまり不自然にならないくらいに音圧を上げて変化する音が聴けます。

AUDIO-UP2.wav へのリンク
リンクをクリックすると音を再生します。
あまり不自然にならないくらいに音圧を上げた状態です。

実験用にもう少し派手な音になるように加工します。
中高域の倍音成分を強調して更に音圧を上げます。

0dB-AUDIO-UP.wav へのリンク
-20dB-AUDIO-UP.wav へのリンク
リンクをクリックすると録音用ファイルを再生します。
0dB録音用と−20dB録音用のファイルを作ります。

SONY TC-K55で、maxell UDに録音します。

SONY TC-K555ESRで、maxell UDにキャリブレーションをしてから録音します。

TC-K55-0dB-REC.wav へのリンク
TC-K55-20dB-REC.wav へのリンク
リンクをクリックすると音を再生します。
TC-K55の録音した音を再生して、PCM-D100に48kHz24bitで録音します。
音声の編集ソフトで、0dB録音と-20dB録音のファイルに分けてからノーマライズ処理をします。

TC-K555ESR-0dB-REC.wav へのリンク
TC-K555ESR-20dB-REC.wav へのリンク
リンクをクリックすると音を再生します。
TC-K555ESRの録音した音を再生して、PCM-D100に48kHz24bitで録音します。
音声の編集ソフトで、0dB録音と-20dB録音のファイルに分けてからノーマライズ処理をします。

AUDIO-UP-TEST-SOUND.wmv へのリンク
リンクをクリックすると音と静止画を再生します。
映像編集ソフトで、5秒おきに音源切替わる映像を製作しました。
ヘッドホンなどで聴くと、音質の違いが良くわかります。
-20dBでの録音は、予想通りの結果となりました。

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